知っておくべき感情労働の問題点とは

感情労働は、自分の体調や感情を抑制して、仕事のために感情コントロールを求められる働き方のことだ。3次産業などのサービス業に多く、顧客に好まれる態度で接しなければならず、自分の感情に関係なく表情を作ったり振舞ったりしなければいけない。テレフォンオペレーターのようなクレーム対応の仕事では、ネガティブな顧客の相手をすることが多く、声だけで対応しなくてはいけないので、精神的ストレスも大きいようだ。職業の中には看護師などのように、肉体労働と頭脳労働と感情労働を備えた職業もある。しかし近年では、社内でも感情労働にあてはなる働き方が増えており、上司が怖くて自分の意見が言えないなども、感情労働である。SNSの普及や顧客満足度などで評価基準がシビアになり、企業イメージをあげるために高度なサービスを提供するよう、従業員に求められることが増えたのも、感情労働の割合が増加した原因でもある。増加の一方で感情労働は、精神的な病気を引き起こしやすいリスクがある。自分の感情を無理矢理コントロールすることを繰り返すため、精神的に負担が大きく、ストレス発散が上手にできていないとうつ病や、燃え尽き症候群と呼ばれるバーンアウトなどを引き起こす。高度なサービス提供のために、企業は従業員のメンタルケア対策をすることで、感情労働による不調者を出さないようにする必要がある。保健師などのストレスチェックを実施し、企業も本人もストレス度を把握して改善を目指すことが大切だ。